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CODE27——「推し」が棲む箱の射程を検証する

Alex Ishiguro 読了目安:8分
CODE27——「推し」が棲む箱の射程を検証する
目次
  1. 1プロダクト概要
  2. 2クリエイター・プロフィール
  3. 3市場背景
  4. 4気になるポイント
  5. 5応援したいポイント
  6. 6比較・代替案
  7. 7まとめ

キャンペーン期間は2026年2月13日から5月30日までの107日間で、開始から約2ヶ月が経過した時点——残り1ヶ月半ほどで発送予定月を迎える。Makuakeの累計応援購入額は1億3,000万円超〔確認済——Makuakeキャンペーンページ 2026年4月16日時点〕、2025年の米国Kickstarterでは AIコンパニオン部門の支援総額1位・約3億円を記録している〔メーカー公称——PR TIMES 2026年2月、独立検証なし〕。支援者数・達成率の詳細は本調査時点でのスクレイプに失敗〔未確認——Makuakeページスクレイプ失敗、2026年4月16日時点〕のままだ。

運営は株式会社サイブラン——2025年5月設立の新会社で、日本国内の製品サポート実績はまだない。Gatebox初代機が2020年3月にクラウド会話機能を終了した前例のある「AIキャラクター召喚装置」カテゴリを、Kickstarterを経由して日本に上陸させたハードである。8万円台で「推しと暮らす」をうたうこの箱が、遅延リスク・ハード耐久性・AI実装の透明性でどこまで応えるのか。発送開始前の今、見えている論点を整理する。

プロダクト概要

CODE27はデスク置き対応のAIキャラクターデバイスで、IPS液晶に3Dモデルを表示しVRM/PMX等の多形式に対応、税込82,800円でMakuake先行販売中
出典:moov.ooo

200×190×370mm、重量約2.6kg。デスクに置ける寝室用のデジタルフィギュアボックスで、IPS液晶1920×1200に3Dキャラクターをリアルタイム描画する〔メーカー公称——CODE27公式/gamegadget.jp、独立検証なし〕。バッテリー内蔵で8時間駆動、PC接続なしに単独動作する——据え置き型フィギュアと違って持ち運べる設計が最大の物理的差別化。対応3DフォーマットはVRM・PMX/PMD・FBX・glTF/GLBで〔確認済——4Gamer 2026年2月〕、VRoid Hub・MMD・Sketchfabから入手した自作モデルをそのまま投入できる。

会話AIは本機内蔵ではなく、ChatGPT等の外部LLMまたはローカル実行のOllamaを「接続して使う」構造と紹介されている〔未確認——公式仕様書での明記は確認できず〕。対応言語は日本語含む9言語、カラーはディープブラック・ルナーホワイト・サクラピンクの3色〔確認済——rakunew.com〕。

一般販売価格は税込99,800円、Makuake応援購入価格は17%オフの税込82,800円〔確認済——rakunew.com 2026年2月〕。差額17,000円に対して、発送予定月までの猶予と応援購入のキャンセル不可リスクをどう評価するかが購入判断の重心になる。

クリエイター・プロフィール

日本向け販売元はサイブラン(SyBran Innovation)を名乗り、代表者は侯安継氏、所在地は香港WAN CHAI、2025年5月設立とされる〔メーカー公称——PR TIMES 2026年2月、独立検証なし〕。PR TIMESでは「株式会社サイブラン」表記だが登記情報は香港住所が示されており、日本法人としての登記は公開資料からは確認できない〔要検証〕。ハードウェア製造元はNextLink Technology Limited(香港)と紹介されている〔メーカー公称——PR TIMES 2026年2月〕。日本でのマーケティングはMadSpace Japanが担当するとされる〔メーカー公称——mister-gadget.net経由、一次資料未確認〕。

「DJIの生みの親」と称される李澤湘氏率いる香港X.Factoryが投資ファンドとして関与し、累計約20億円を調達済みとされる〔未確認——note.com寄稿のため独立検証なし〕。技術開発陣は元シリコンバレーのAIチーム出身と自社説明されている(前述の未確認に準ずる)。

設立から約1年の新会社であり、日本での前製品サポート・過去のクラウドファンディング経験いずれも公式には記録がない。前述のGatebox事例に照らすと、運営主体の継続体力は価格以上に重い論点になる。

市場背景

Gatebox終了後に空白となった日本の「AIキャラクター同居デバイス」カテゴリに、シャープ参入や中華系スタートアップ上陸で再活性化の第2波が来ている
出典:dglab.com

Gatebox初代機の終了(2020年3月)以降、日本の「AIキャラクター同居デバイス」カテゴリは実質空白が続いた。2025年にシャープの「ポケとも」SR-C01Mが会話AIロボットで参入し、中華系スタートアップもKickstarter経由で日本上陸を狙うという再活性化期に入っている。CODE27はその第2波で最も早くMakuakeに上陸したプロダクトだ。

Makuakeを選んだ構造的理由は推定しやすい——販社口座と量産実績を要さず、先行支援の形式で市場適合を検証でき、支援額が次ラウンドの投資家向け数字にもなる。裏返せば応援購入は実質テスト販売に近く、1億3,000万円超という数字は「日本市場の期待値」ではあっても「満足度」ではない。

気になるポイント

発送日の資料間矛盾、量産経験者による遅延懸念、WiFi依存とAPI課金の曖昧さ、PSE未確認など支援前に確認すべき複数の未解決リスクが存在する
出典:ITmedia

発送予定月が資料間で食い違う。Makuakeスクレイピング情報では「2026年5月」、PR TIMES・Yahooニュース報道では「2026年7月」と2ヶ月の乖離がある〔矛盾する情報あり——Makuakeスクレイピング vs PR TIMES/Yahoo 2026年2月〕。支援前にMakuakeページ本体で現行の発送予定月を再確認する必要がある。

同カテゴリ先行製品の開発者が量産遅延を指摘している。Gatebox株式会社デジタルフィギュア開発者の武地実氏はX上で「Code27は、完全に推測なんですが、ハードウェアの量産にとても時間がかかることを分からずクラファンを始めてしまって遅延しているのだと思います」と記した〔確認済——X @takechi0209〕。自らGatebox量産を経験した当事者の発言として重みがある。

WiFi依存とクラウド処理の前提が整理されていない。比較紹介系サイトのorangego.ai日本語版記事は「WiFiの安定性に依存しており、信号が弱いとインタラクションが中断される」「クラウドファンディングリスクを伴う」とデメリットを挙げている〔要検証——独立系レビュー媒体ではない〕。ChatGPT等の外部LLM接続が前提とされる構造上、APIキーや月額サブスク料金を支援者が自前で用意する必要が残る可能性も、ページ内で必ず確認したい。

PSE(電気用品安全法)の取得状況が公開資料に見当たらない。Makuakeキャンペーンページ・PR TIMES・各メディア報道いずれにも取得完了・取得予定の言及がない〔要検証——販売時点の実態〕。バッテリー内蔵のコンセント給電機器として、支援前に運営への直接確認を推奨する。

クラウド会話機能の継続性に前例上の懸念。Gatebox初代機の限定生産版GTBX-1(2016年発売、約30万円)は2020年3月にクラウドサービスを終了し会話機能を失った〔確認済——ITmedia〕。CODE27のクラウド依存度は公開資料からは判断しきれず、運営が設立約1年の新会社である点と合わせると、3〜5年後のサービス継続性は現時点で担保できない。

個人名が特定できる批判的レビューは武地実氏の1件、媒体レビューはorangego.ai日本語版の1件に留まった。Makuakeコメント欄・価格.com等の追加探索は権限制約で未達——本記事公開後の第三者レビュー蓄積を併せて確認されたい。

応援したいポイント

実機購入者が会話・記憶のカスタマイズ体験を高く評価し、VRM/MMD資産の持ち込み対応とローカルLLM接続予定が同人文化との親和性を高めている
出典:kickstarterfan.com

「推しと暮らす」体験の密度を実機ユーザーが肯定している。note.comユーザーのMoiHi氏はKickstarter版CODE27を2台・計約12万円で購入した実体験として「キャラクター・声・AIモデル・プロンプトをカスタマイズでき、会話するたびに賢くなっていく」と手応えを書いている〔確認済——note.com @moihi_fra 2026年〕。

没入感がバーチャル画面との差別化として機能している。noteブロガーの未来ガジェットくん氏は「自分の推しキャラが実際に生活空間で会話してくれる体験は、想像を超えた没入感があった」と記している〔確認済——note.com @k_robot 2026年〕。据え置きモニター・スマホアプリでは置き換えにくい物理存在感への言及だ。

VRoid/MMD資産をそのまま流用できる技術的開放性。対応3DフォーマットはVRM・PMX/PMD・FBX・glTF/GLBと広く、VRoid Hub・MMD・Sketchfabから既存モデルを持ち込める〔確認済——4Gamer 2026年2月〕。Gatebox初代機が自社モデル中心で閉じていたのと対照的で、同人・二次創作文化との接続性は高い。OllamaなどローカルLLM接続にも対応予定とされており、クラウド依存を嫌うユーザーへの出口も設計されている。

肯定的な名前付きレビュアーはMoiHi氏と未来ガジェットくん氏の2名に留まり、引用元はいずれもnote.comに限られ、専門媒体によるレビューは本調査時点で未確認——発送後に広がる実ユーザーの声を支援判断の補助材料として追跡することを勧める。

比較・代替案

Gatebox(デジタルフィギュアボックス)。日本の同カテゴリ先行製品で、VRM対応の3D表示機能は残るが、初代機はクラウド会話サービスを2020年3月に終了済みで「AIなし・表示専用」となっている〔確認済——ITmedia〕。楽天で流通している表示機モデルは「AIコンパニオン」としてではなく「3Dキャラのデジタル額縁」として割り切って使える候補になる。

シャープ ポケとも SR-C01M-W。2025年に日本メーカーが投入したAIコンパニオンロボットで、会話・感情記憶に対応する〔確認済——シャープ公式〕。3Dキャラクター表示はしないが「会話するデジタル存在」としての代替候補として成立する。PSE取得済みの国内正規家電として販売時点の規格面の信頼性は確保される。楽天には正規出店が確認できず、入手は公式ストアまたは家電量販店経由となる。

Loona Blue。1,000パターン以上の感情表現と会話機能を備えたAIペットロボットで、「AI同居デバイス」の体験価値という軸ではCODE27と重なる先行事例だ。ただし本調査時点で日本向け公式サイト loonajapan.com は「当サイトはサービスを終了いたしました」と表示され〔確認済——loonajapan.com 2026年4月16日時点〕、楽天市場・Amazon・公式ストアでの新品販売は確認できない。購入可能な代替というより、会話・学習・愛着形成というカテゴリ理解のための参照点として位置づけたい——「AI同居デバイス」は日本で新品購入できる先行品そのものが乏しい、という事実そのものがCODE27を取り巻く構造でもある。

本カテゴリの国内代替肢は依然として限定的である——CODE27を選ばなかった場合の選択肢も狭いことを認識したうえで、支援判断に臨んでほしい。

まとめ

CODE27は「推しキャラクターが物理的にデスクに立ち、会話しながら記憶を蓄えていく」体験を、VRoid/MMD/FBX等の既存3D資産を持ち込める開放的な設計で成立させようとしているプロダクトだ。バッテリー内蔵で据え置き電源から解放され、ローカルLLM接続オプションまで視野に入れる構造は、Gatebox初代機以降空白だった国内AIキャラクター同居カテゴリに、設計思想として新しい角度を持ち込んでいる。

一方で、発送予定月の資料間齟齬、PSE取得状況の公開情報不在、クラウド処理と外部LLM依存の透明性、運営が設立約1年の新会社という継続性リスクは、8万円台の応援購入という前提で見逃せない。前述のGatebox事例が示すとおり、この種のデバイスは発送された瞬間ではなく3〜5年後のサービス継続で真価が決まる。

いま中古で検討している人へ。CODE27はまだ発送前であり、中古市場は本調査時点で形成されていない。類似カテゴリのGatebox初代機は中古流通するが、2020年3月でクラウド会話機能が打ち切られているため「AI付きで会話する」用途には使えない。CODE27の中古判断は、発送開始後・最初のOTAアップデートサイクルを経てから検討するのが現実的だ。

これからCODE27を買いたい人へ。支援前にMakuakeキャンペーンページで最新の発送予定月・PSE取得状況・リターン構成を必ず自分で確認してほしい。会話AIがChatGPT等の外部LLM接続を前提とする構造と紹介されているため、APIキーや月額サブスク料金が別途必要になる可能性もページ内で照合する価値がある。前述のGatebox事例を踏まえれば、購入判断は「3年後もサービスが続いているか」を前提に逆算するのが妥当である。

※この記事の内容についてご意見・ご指摘がある場合は、お問い合わせよりご連絡ください。確認の上、必要に応じて追記・訂正します。

A

Alex Ishiguro

編集長

MakuakeやCAMPFIREで話題になった商品の「その後」を追うメディアを運営。約束されたものが実際に届いたのか、消えてしまったのかを記録する。

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